福岡県八女市飛形山近くにある飛形(とびかた)蒸留所体験会
「八女(やめ)」と聞いて思い浮かぶのは、「お茶」「星野村」ではないでしょうか。
今回訪れたのは、全く別の「飛形(とびかた)」という場所にある国産精油の蒸留所です。
飛形は福岡県八女市立花という場所にあります。立花町の中央に位置する飛形山(とびかたやま)は標高450メートルの山で、春のサクラやツツジ、初夏の新緑、秋の紅葉と四季折々の魅力があふれ、はりめぐらされた遊歩道で自然散策にもうってつけの場所。
福岡市街から車で高速を使って広川ICを降り、周囲を山と川、平野に囲まれたひっそりとした場所に、八女飛形蒸留所はあります。
入浴剤を作る祖父の工場の香りが大好きだった
飛形蒸留所の社長、松﨑大成さんはこの土地でもともと入浴剤を作っていたという祖父の作る工場でいつも遊んでいおり、その時に嗅いだ柑橘系の香りが大好きだったと言います。近くの川の流れを利用し水車を設置。その動力を用いて工場を持っていたという松﨑さんのおじいさまは、この土地で採れる柑橘系を用いて入浴剤を作っていましたが、その際果物の皮などは処分されてしまっていたとか。子供心に、あんなにいい香りがするのにもったいないなぁと思っていたそうです。
その後食品メーカーとして長年勤めた社長は、ある日目にした水蒸気蒸留にピン!と来て、あれで蒸留すればきっといい香りが採れる。そう思った社長は早速蒸留器を設置。冬の最も美味しい時期の柚子を丁寧に皮を剥き、撹拌機にかけます。その後水蒸気蒸留窯へ。と簡単そうですが実はこの機器には様々な工夫がされています。
通常海外の柑橘系精油の多くは「圧搾法」という方法で皮を絞り潰すようにして精油を抽出します。水蒸気蒸留では、香りは薄くなってしまうのではないか?また、国産精油の多くが成分表示がなく、より安全性の高い精油を求めて多くのアロマ愛好家やプロの間では国産精油に対する信頼は低いことも・・。
食品メーカーだからこそできる信頼の品質
食品を作るときには不純物や不明な成分が混入することはあり得ません。だからこその知識・技術がここに活かすことができました。と社長。食品添加物として作ることも可能な技術を用いて採取しているんですね。当然成分分析もされており、香りは薄いどころか、トップノートと言われる蓋を開けた瞬間香るふわっとした香りよりもさらに強く、優しく香る「ハイトップノート」の香りまで採取できる蒸留窯を作成。また、柑橘系によくありがちな、ビリビリとした嫌な感じ、味で言う所の苦みを感じる成分を抑えることにも成功。天然でありながら、その柑橘の持つ全ての良さを凝縮することに成功。その放つ香りは、海外の精油とは全く異なるタイプのみずみずしさを感じる精油になっています。
何より「仕事が楽しい」と話す社長は本当に楽しそうに嬉しそうに、惜しみなく技術のすべてを教えてくださるので、こちらまで幸せな気持ちにさせてもらいました。柚子だけでなく、他にも八女で採れる甘夏や不知火(デコポンのブランド品)、ローズマリーやユーカリレモン、琵琶や梅など様々な精油を抽出、ブレンド品やコラボ品にも挑戦し続けている社長。
先日は、鶴瓶の家族に乾杯でコラボ商品のゆずポン酢が紹介されてました。これまた優しくってとっても美味しいのです。(すでに買ってきてましたよー)
蒸留所に立ち込める素晴らしくいい香りと共に、仕事への真摯な気持ちと情熱を感じる社長の人柄で心も体もすっかり「幸せ国産アロマ」に夢中になってしまいました。八女の飛形蒸留所。帰りに美味しい八女茶も堪能しながら、訪れてみてはいかがでしょう?
SARAH AROMAでは梅の時期にまたお邪魔して、梅の精油を蒸留する体験をしてみたいと思っています。
ご参加くださった皆さん、松﨑社長、本当にありがとうございました。
■八女飛形蒸留所:八女市立花町北山4007-2
【蒸留見学・体験】
(要予約)0120-22-4569
平日(月曜日~金曜日)10時~15時
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