サロンの帰り道、歩いていると
反対側の道路から横断歩道を渡ってくる
おばあさんの姿が・・・。
その姿に私は見覚えがありました。
少し前夕方買い物に行くと言って
両松葉杖をつきながら、
ほとんど進んでないようなペースで
歩いていたおばあさんに声をかけ
付き添ったことがあったのです。
「あのペースじゃ渡り切れない」
そう思って信号を見るとちょうど
点滅から赤信号に変わったところでした。
おばあさんの位置はというと、
2車線ずつの道路の1番手前の車線を
渡ったばかり・・・。
急いで赤信号のところをおばあさんの
所まで行き、真ん中までとにかく
行きましょうと声をかけた。
「あなたが来てくれると思ったわ～」
とおばあさん・・。
覚えていてくれたようです。
でも1分に3歩くらいしか歩けない
そのおばあさんをこのまま
次青信号でも渡り切れる気がしません。
「松葉杖を私に預けて、腕を組んで
いっしょに歩いたらもう少し早く
歩けるでしょうか？」
と提案してみました。
にこっとうなずいてくれたので、
早速片方の松葉杖を預かって腕を組み、
１，２．１，２と声をかけながら
いっしょに残り半分を渡りました。
最後はもうすでに赤でしたが、
車の信号が青になるまでに
なんとか渡りきれた感じです。
ほっとしたのもつかの間、
普段歩いたこともない速度で移動したために、
「あんな速いなんて！殺されるかと思ったわ！！」
とおばあさんが大きな声で私に怒鳴ってきました。
ほとんど下しか向いていないおばあさんにとって、
横から来る車のことや、安全かどうかの判断は
とてもできるわけもなく、また普段は恐らく
何度となく赤信号になりながらも、車が
どうにかよけてくれて渡っているのでしょう。
おばあさんにとってみれば、
無理もない言葉だなと思って、
「ごめんなさい。早すぎましたね」
と謝っていました。
するとそこにすごいスピードで車がやってきて、
おばあさんの横に止まって、
窓を開けて大きな声で話しかけてきました。
「だいじょうぶですか？？
病院とかに行くなら乗せていけますよ」
文具系メーカーの車で、
ビシっとスーツを着た方でした。
邪魔だとか怒鳴られると思ったので
ちょっと驚きましたが、
買い物に行くために横断歩道を渡って
いた方なのですが、なかなか歩けなくて
お手伝いをしていました。
でも無事に渡れたので大丈夫です。
ありがとうございます！！
車の人に気が付かないおばあさんの
代わりにそう答えると、
「そうですか、それはよかったです」
とささーーーっと去っていきました。
するとそれを見ていた
通りがかりの方が声をかけて
くださったり。
反対側の腕を持って、
もう少し安全な歩道の上まで
引き上げてくれました。
「おひとり暮らしなんですか？」
「渡り切れてよかったですね」
「いつもこんな風に？」
「とにかく引かれなくてよかったですよ」
などなど数名の方が次々と
声をかけにきてくださって。
なんて優しい街なんだろう。
みんながほんのちょっと勇気を出して
声をかけ合って。。。
その後おばあさんに声をかけていた
別な女性にバトンタッチして
私は帰宅することに。
なんかとても大きな勇気を
その方たちにいただいた気持ちでした。
「私もみなさんの勇気を使っていこう」
そう思っていたところふと見ると
次の信号のところで自転車のわきに座って
太ももをさすっているお爺さんが・・。
さっそく先ほどの勇気を使ってみることに。
「どうされました？」
と聞くと、
「足つっちゃってね、わはは」
とおじいさん。
何かお手伝いしますか？
と聞くと大丈夫だよとおっしゃるので、
どうぞ気を付けて～と。
そして、また歩いていると、
今度はバス停で1人心配そうに
バスが来るであろう方向を見ている
杖のおばあさんが・・・。
スマホのアプリでバスの位置を確認して、
「こんにちは。〇分のバスですか？
今4分遅れだそうです。△△のとこを
今通りすぎたところみたいですよ」
と声をかけてみました。
「まぁ！よかった。ありがとうございます」
とおばあさんが深々と頭を下げて
くださって。
誰かのほんの少しの勇気をもらって、
私も勇気がすっと出るようになった
気がしました。
私はこれまで困っているような人がいても
車で横づけまでして話しかけたような
ことはありませんでした。
あのビシっとスーツの男性のおかげで
今日は本当にたくさんの方の
勇気をもらって自分の中の
「使える勇気ポイント」
がぐっと貯まった気がします！
あなたはどうですか？
誰かが道で困っていたら、
ぜひ勇気を出して声をかけてみてください。
お互いさまの良い街にいっしょに
していけたらいいですね！
