2020.7.11

患者さんの葬儀に参加させていただきました。

患者さんの葬儀に参加させていただきました。

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 福岡市西鉄大橋駅前のサロンで
心と体の健康管理支援事業をしている
バラカプロジェクトの今村です。

ケア部門はがん患者さんを専門に行っています。

今回出会った患者さんは本当にたくさんのことを
学ばせていただいた方でした。

通常病院だと患者さんの葬儀に参加することはありません。
また、訪問看護ステーションも同様の場合が多く、
葬儀後落ち着いた頃にご挨拶に行くことはありますが
管理者だけだったり、全員で行くということは
あまりないのが通常かなと思います。

でも今回の患者さんは、外国人の方で医療ビザで日本に
がん術後の治療のために来日していました。
自費でリンパ浮腫ケアで訪問できる人がいないかと
お探しだったらしく、業者さんを通じてご紹介いただきました。

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コロナのぎりぎりで来日し、その後母国に帰ることは
できないことを意識されつつ、できることは何でもしたい。
その強い意志と行動は、何度となく襲う危ない状況を克服し、
周りでケアをするすべての人たちが
驚くほどの忍耐力と尋常ではない回復力で、
亡くなるその日までどんどん元気に、その人らしさを
取り戻して行き、まだまだ元気になるのかな?
という大きな期待さえ生まれていた矢先、静かに亡くなられました。

残念ながらご家族は全て母国に残されたままという状況で、
ケアに関わった医師や病院、通訳スタッフや訪問看護師など
私も含めて少ない人数ではありますが、皆がその人をずっと
そばで見守り続けた人たちで葬儀を行う形となりました。

葬儀場に入ってすぐ、遺影を見て私は思い知らされたことがあります。

それはどんなにそばで、その人の生活をみたり、
接したり、苦しい時悩みがある時、笑顔の時間を
共に過ごしてきたように思っていましたが、

「私は結局その人の「患者として」の一面しか知らなかった」

ということに尽きます。

遺影写真はご家族がご用意してお送りくださったもので、
ご家族がイメージする故人、その人を表す写真でした。
そのお写真はとてもふっくらと優しさに溢れる表情で、
ご病気前のお写真のようでした。

この方があの方なのか、、、。

という不思議な感覚で、生前の長い人生の大半を
そのお顔といいますか、その様子で過ごされて来たのだなと
思うと同時に、最期の数か月を異国で色々なご不安の中、
私たちを頼りに、ほんの少しでも心を開いて過ごして
くださったことへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。

医療ビザの方は完全に日本の医療を自費で受診します。
病院によっては外国人を避ける病院や医療スタッフも
いる中で、関わった方たちとも、とても良いつながりを
持つことができ、それもまたこの患者さんが残してくださった
とても素晴らしい財産だと思います。

今回初めて担当患者さんの葬儀に参加させていただき、
自分の立ち位置や心構えなど、改めて感じることが
たくさんあり、今後にしっかりと活かしていこう。

そう思えるとても良い経験をさせていただきました。

無事母国へ遺骨が届き、ご家族の元でゆっくりと
くつろぐことができますよう心から願っております。

本当にありがとうございます。
またいつか、お会いする日まで。 

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