2018.10.8

真の健康とは「わたしはこんな状態でも生きていけると何とかやりくりできる人」

真の健康とは「わたしはこんな状態でも生きていけると何とかやりくりできる人」

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ナック商会さんというリンパ浮腫患者さんの
弾性スリーブなどを販売している会社主催の
「在宅ケアセミナー」
に参加してきました。

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午前中は座学、午後は実践実技で、
講師の先生方もその道のスペシャリスト。
急遽午後参加できなくなってしまい
とても残念でしたが、座学だけでも
非情に心がピシっとなる貴重な
お話しを聞くことができました。

福岡、、いや全国区で在宅ホスピスケアと
言えば大変有名な、二の坂クリニック院長の
二の坂先生。

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穏やかながらいつもぐぐぐっと胸に突き刺さる
考え方を突き付けられる先生で、

この日も、「皆が同じことを言ってる時は要注意」
とした上で、WHOの言う健康という定義に
大いに疑問があるとして、様々な観点から、
「健康」の在り方、関わり方、実際の活動など
多岐に渡ってお話しくださいました。

その中で印象だった言葉の中に、

「改善するのは、状況であって、その人ではない」

というものがありました。

ソーシャルワークの基本でもありますが、
ついつい医療者や家族など患者さんに
関わる人たちは、あれがいい、もっとこうしたらいい、
なんでそれをしないのか?
と本人を変えようと詰め寄っていきがちです。

でもそうではなく、特に在宅ホスピスのように、
自宅で最期を迎えたいと思う方達にとっては、
もう変えようのない病気と、残りの命の時間が
そこにあります。

時には驚くほど悪環境であったり、
不幸に不幸を重ねたような人もいるでしょう。

でもその中でいかに支え、いかに共に
考え、その状況を少しでも改善しようとするのか。

その取り組む姿勢の基本を、
今日はたくさんお聞きすることができました。 

その次には在宅ケアで必ずといっていいほど
目にする「浮腫」に関してです。

日本緩和浮腫医療協会の代表大塚先生から、
解剖整理などをわかりやすく教えていただきました。

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大塚先生は私がリンパ浮腫ケアセラピストの
資格を取得した際の恩師でもあります。

懐かしい講義をじっくり聞きました。

そして最後は、ホスピスケアの実践を
本当の意味で行っている斎藤医院咽喉の斎藤先生から。

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軽やかながらもビシビシ、ヒシヒシ
現場のスタッフなら刺さるであろう
言葉で私たちが現場で何をすべきか。
そして、
何をしてはならぬのか。

その精神を教えてくださったように思います。

何度も今日の講義で出てきた言葉です。

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「何とかやりくりする」

浮腫があってもいい。
病気が治らなくてもいい。
うまく歩けなくてもいい。

でもそれに対し、
「何とかやりくりしようとする」
「何とかやりくりしようとしてくれる」

そんな医療者、スタッフ、家族がいる。
そう思えるだけで患者さんは、
ありがたいな、幸せだなと思って生きていける。

最終的に浮腫がとれなかった。
でも少なくとも悪化しなかった。
関わってもらってよかった。

そんな気持ちで最期を見送ることができたら、
ご家族にとっても、その心の在り方は
ちがうのだと。

それを支えていくのがホスピス精神であり、
それは別にホスピス病棟でなくても、
どこででも、誰にでも、当てはまり、
そして実践できることなのだと。 

そして、もしその方が、病気があっても
障害があっても、何があっても、

「何とかやりくりしているなら」

その方はもう「健康」なんですよ。

というお話しだった。
このスライドをいつも頭に入れておきたい。 

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いっしょに「やりくり名人」になりましょう! 

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