ニュースの記事で理学療法士を目指す学生さんが、
コロナの影響で臨床実習を受けられずオンラインで
実施しているところがあると読みました。
技術職でもある医療職には臨床実習は欠かせません。
たくさんの病名や解剖生理学などを習っていても
実際の患者さんを見る、触れる、動かしてみる
という経験はほとんどの学生が初めての経験です。
「まるで教科書と同じだ!」
という感動すら覚える知識と経験の一致もあれば、
教科書通りにはいかないその方の心や生活、
家族との関係性や職業など様々なことが病気や
プログラムを考える上で大切な情報となってきます。
でもそれも実際に会話をしてみて、
実際の病院の中でカルテや多職種と接してみて
反省したりチャレンジしたりしながら得られることの方が
大きいのです。
それがオンライン。
オンラインでそのようなことが学べるのか?
という疑問も多いとは思います。
でも正直オンラインで患者さんの動きや様々な
情報を得て評価しながら、治療の実際をその場で
「口頭指示」
しなくてはいけないのはかなりの高等技術です。
10年以上働いている理学療法士で
自分の経験している分野であればそれほど難しくは
ないかもしれませんが、全く初めての学生さんにとって
これは相当気合と根性と精神的疲労が待っていることでしょう。
でもこれは、これまでの理学療法士が誰も
経験したことのない学習方法であり、
そして実はものすごいチャンスだと私は思います。
以前私は海外の患者さんをパソコン上で
MRIなど画像を見せてもらった後、
その場で動きを見せてもらい即治療方法を伝え
実践してもらいました。
経過もオンラインで確認という作業です。
評価だけしてまた後日。
というわけにもいきませんし、
質問も色々とされるわけで。
瞬時に状態と予後と必要なプログラムを
作って的確に伝えなくてはなりません。
でもおかげで直接会わなくても
病院の外来と同じように評価と治療が
可能であることを知りました。
理学療法士さんに揉んでもらう~
という方は不満足かもしれませんし、
「触る」ことが治療のメインである
理学療法士にとっては難しいかもしれません。
でも実のところ治療のほとんどの人は
ご本人や家族のケアがどのように行われるか。
に回復の程度は分かれています。
徒手テクニックが重要な疾患や病態を除き、
理学療法士が触れなければ改善しないのであれば
それはあまり良い治療とは言えません。
なぜならその人がいなくなったら、
その患者さんは元気になれないということになりますから。
オンライン実習は大変かもしれませんが、
「目を養う」
とても良い機会だと思います。
瞬殺で評価し、同時にプログラムを実施できるように
なるには、この「目利き」が大事ですからね♪
学生のみなさん、ぜひこれをチャンスにして
オンラインであっても有意義な臨床実習として
卒業後自信を持って働くことができるように
がんばってください!!
見知らぬおばさん理学療法士より(*´▽`*)